投機筋の相場観が分かる「IMMポジション」

IMMポジション残高とは

シカゴIMMポジションとは、シカゴ先物市場における投機的とみなされる通貨取引のポジションの推移を示したものです。
IMMとは「International Monetary Market」の頭文字を取ったものです。

IMMポジションのデータは、全米最大規模を誇る通貨先物市場であるシカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange=CME)が公表しています。

集計対象となるマーケットが限られているので、決して完璧な指標ではないですが、海外勢の投機的なポジションが通貨別に売り・買いのどちらに偏っているのかを確認できます。

IMMポジションの発表時間

IMMポジションは、米国東部時の午後3時30分(日本時間:土曜日午前5時30分)にホームページ上で公表されます。
FOREX WATCHERなどの日本語サイトでも確認できます。

IMM通貨先物はヘッジファンドなどの投機的な取引に使われているのが特徴ですが、
アメリカのCFTC(Commodity Future Trading Commission=全米先物取引委員会)は、各取引所にそれぞれの未決済ポジションの公表を義務づけており、各取引所は毎週火曜日の取引終了後の未決済(建て玉)ポジションをCFTCに報告します。

CFTCはそれを集計してその週の金曜日の取引終了後、米国東部時の午後3時30分(日本時間:土曜日午前5時30分)にホームページ上で公表します。

IMMポジションを見るうえでの注意点

相場展開を占う上で、投機筋の動向は欠かせないので、ひとつの指標としてIMMポジションは大変参考になりますが、注意すべき点がいくつかあります。

  • IMMポジションは、金曜日の取引終了後に、その週の火曜日時点の数字が発表されるため、3日遅れの情報になります。
    もしその3日間に相場が大きく変動し、ポジションの新規建てや手仕舞いの動きがあったとしても数字には反映されていないので注意が必要です。
  • IMMは通貨単位でのポジション残高であり、個別通貨ペアの残高までは把握できません。
    たとえばユーロのショートが記録的に増えたとしても、その相手通貨までは判りません。
  • 投機筋にしてみれば、自分たちの手口が公開されてしまうことになるため、そもそもこの先物市場を利用しない手段をとっているところも中にはあるようです。
    ゆえに、この建て玉をそのまま鵜呑みにすることは、実は危険です。

投機筋の動きから相場の方向性を予測する

IMMポジションは、ヘッジファンドを代表とする投機筋の動向を確認するためにも有効です。

たとえば、IMMのユーロ・ショート(売り持ち)ポジションが歴史的な水準まで増えていたとしたら、そろそろヘッジファンド達も利食いに出てくるタイミングが近いと予想できます。
これは、いくらヘッジファンドでも無限にポジションを膨らませることはできないからです。
積み上がった売りポジションは、いずれ決済されてポジション数は減っていくので、相場の上昇を誘います。

同様に、買いポジションが大きければ後に下落する可能性が高くなります。

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