ドル円の取引量が圧倒的に多い
東京市場では、円を絡めた取引が多く、特にドル円の取引量が圧倒的に多いです。
ドル円は貿易取引などの実需で動くペアですから、東京市場の基本的な性格は「実需につれて動く」ものになります。
東京は実需と個人投資家の市場
東京市場への主な参加者は、日本やアジアの輸出入企業や商社などの実需筋であるため、必要がないときにはマーケットに参入してきません。
あくまで事業の為替決済が目的であって、投機的な利益目的ではないわけです。
また、最近では個人投資家の動きも活発になってきました。
値幅を狭める方向に動きやすい
前日のニューヨーク市場でドル円が高い水準のまま、東京市場が開始すると、自動車会社などの輸出企業が、高いレートでドルを売ってより多くの円貨を受け取ろうとしてドル円を売ってきます。
逆にニューヨーク市場で安い水準のまま東京市場が始まると、石油会社などの輸入企業が、より安いレートで買って外貨を手当しようとドル円を買ってきます。
また、日本の個人投資家も、下がると買い、上がると売ってくる逆張り傾向があります。
つまり上がれば売られ、下がれば買われるため、東京市場の時間帯はどうしても値動きの幅が小さくなり、ボラティリティー(変動率)が出にくい傾向があります。
長期的には貿易収支がドル円相場に大きな影響を与える
1965年~2010年まで日本は貿易黒字(輸出>輸入)でした。
この間、恒常的に米ドル売りが出ていました。
それが2011年の福島第一原発事故で国内全ての原発が稼働停止し、代替エネルギーとして液化天然ガス(LNG)の大量輸入されるようになると、一気に貿易赤字(輸出<輸入)となり、それまで45年間続いていた米ドルの需給関係は、ドル買いが優勢に大転換しました。